佐賀大学学生自治会連の研究

このサイトの目的

このサイトは、20数年前、学生運動に多大な影響を与えた「佐賀大学学生自治会連」の思想を、研究及び要約し、与えた影響を理解することを目的としています。

1.学生自治会に適用される法律

学生と大学の関係は、民法に基づく契約関係。
民法は、自由主義の法律。
大学のサービスを売ります買いますの関係。
学生の自治権は、大学の提供する学問サービスの範囲内で、学問的研究をする権利。
東大ポポロ事件最高裁判例でも示されている。
国立大学は、法人化前の職員は、国家公務員法により、学生団体の学費値下げ運動などの政治的活動に協力するような職権行使が、刑事罰をもって禁止されていた。
国の出資による機関である限り、職権行使は政治的に中立でなければならず、違反した法人には行政処分が、違反した職員には解雇等の懲戒処分が下される。
大学以外の公的施設(役所や公営交通機関、公営病院など)で、ビラ撒きやポスター貼りは逮捕されるが、それと同じ。

2.全員加盟制の学生自治会は存在しない

全員加盟制とする学生自治会規約には法律的効力が無い。
「規約に従うことに同意する」という契約を、全員とはしていないから、規約に全員を拘束する効力はない。
規約の効力が全員には及ばないから、「学生自治会」という全員加盟制の団体は、実は存在しない。
大学と学生の関係は、一般のサービス業と客の関係と同じだから、学生は大学の経営に参加する権利はない。

3.自由権とは

学問の自由をはじめとする、自由権は、財産を媒介とする権利交換権と、財産所有権のことを言う。
1億円の仏壇を買って所有する権利は、国民全員にあるが、お金が無くて、仏壇が買えなくなっても、信教の自由の侵害にはあたらない。
仏壇を買うという信教の自由が有るけど、それを実行するためのお金が無い状態だから。
学問の例で言えば、大学に行くという学問の自由は、国民全員にあるが、お金がなくて大学に行けなくなっても、学問の自由の侵害ではない。
大学のサービスを買うという学問の自由はあるけれども、それを実行するための、お金が無いという状態だから。
人身の自由は、「自由な時間」というある種の財産的価値の所有権と交換権のことをいう。
お金が有って、一生遊んで暮らしている人を、一時間でも無理矢理拘束すれば、人身の自由の侵害だが、お金がなくて、毎日8時間働いても、人身の自由の侵害ではない。
けれども、自由権はすべて「経済活動の自由」ではない。
共産主義の解説本を、共産主義の思想を含んでいることを理由として、1円でも税金を課したら、思想信条の自由の侵害になるが、その本が、骨董品で1億円で売れるとして、同額の税金を課しても、思想信条の自由の侵害にはあたらない。
経済活動の自由に対する制限の大きさは同じでも、経済的な面ではなく、精神的な面を理由として制限してはならない。
自由権は、財産媒介の権利交換権で、思想信条の自由や、信教の自由や、学問の自由などの分類は、それを制限するときに使えない理由の種類である。
このように、自由権だけでは、金持ちの人しか自己実現ができない。

4.社会権とは

国が経済的に補助をして、お金の無い人でも、少しは自己実現できるようにする制度で、国から補助してもらった権利が社会権。
学費を安く提供してもらえたり、奨学金が受けられたりするのが、教育を受ける権利という社会権。
基本的には自由権による権利交換を行いつつ、そこで生じる経済的敗者の救済・復活制度を充実させることで、人間的な社会を作ろうとする主義が社会民主主義(社民主義)。
共産主義は、国家が国民の生活の面倒を見るのが原則で、社会権を原則とする主義。

5.憲法とは

法律が無くても、憲法から直接権利を導き出せるという考えは間違い。
国民の権利関係が憲法と裁判所だけで決まり、国民のコントロールが効かない官僚組織だけで、国民の権利関係が決るので、共産圏の国よりも恐ろしい事態になる。
憲法は、それぞれの法律の有効に通用する範囲を決めるルールであり、直接に国民の権利関係を規定することは無い。

6.特別権力関係とは

大日本帝国時代、国立大学と学生の関係は、特別権力関係とし、治外法権のように言われていた。
現在における、在学関係の特別権力関係は、民法による契約関係である。

7.民法の慣習規定とは

民法の慣習規定を持ち出して、違法な行為を毎年実行しても、適法な行為には決してならない。
民法の慣習規定でいう慣習は、取引での意思表示における慣習のこと。
例えば、自動販売機に「ジュースを売ります」と書いていなくても、自動販売機を路上に置くということは、ジュースを販売するという意思表示となる。
機械を置いているだけで、ジュースを売る気が無いならば、そのことを表に書いて貼る必要がある。

8.大学の入学契約とは

大学の入学契約は、大学の学問サービスを売ります・買いますという意思表示の契約であって、それだけでは大学の運営への参加という法律的効果は含まない。
大学の運営に参加するには、入学契約とは別に、大学の業務を委託します・委託されますという契約が必要。
大学当局から委任された活動は、学生だけの活動であっても、無報酬であっても、大学当局の権限行使であり、業務委託になる。
業務委託は「学生が大学の運営に参加できる」とも言えるが、本来は「大学当局側の立場を兼務した」あるいは「大学職員を兼務した」と表現するべき。

9.大学のサービスを買うとは

大学のサービスは、一方的に知識を詰め込むのではなく、大学の研究に参加させてもらうことで、大学の研究活動を体験するというサービス。
「学生は研究者である。」と言えるが、そのことを、大学の運営に参加できる権限と結びつけるのは誤り。
教員が大学の運営に参加できるのは、大学職員としての雇用契約があるからで、研究者であることが、直接の理由ではない。

10.中世の大学とは

中世封建時代に「学問の自由」はない。
被支配民に「自治組織」を作らせて、支配者にとって都合の悪い事件が起こると、「自治組織」の構成員全員に連帯刑罰を課すという支配システムが封建時代に用いられていた。
連帯刑罰の恐怖により、被支配民は「自治組織」内部で互いに監視し合い、不穏な動きを見せる者には、「自治組織」内部の私的刑罰によって大人しくさせていた。
中世封建時代の「自治組織」による支配システムが、市民革命によって解体され、個人の自由が確立され「自由権」が誕生した。
中世の大学の例をあげて「大学」を定義するのは、大間違いである。

11.大学の定義

日本語の「大学」という言葉の定義は、文部科学省の定めた大学設置基準に基づいて、国が認可した学校。
どんなに高度な教育が行われていても、国が「大学」として認可していない学校は、「大学」ではない。
中世の例をあげて、現代の「大学」についての話をしても意味がない。
国が「大学」として認可した学校であるから、卒業生は、大卒として、企業の採用試験を受けることができる。
国が「大学」として認可した学校であるから、経済的弱者の救済・復活政策として、国庫から大学へ補助金が出されている。

12.大卒資格の認定権限

大学は、国から認可されることで、学生に対する「大学卒業資格の認定権限」を持つ。
国が与えた特別な権限であるから、私立学校であっても、学校法人が好き勝手にできるものではない。
国は、集会結社の自由により、国が与えた特別な権限が、政治的活動に利用されないよう監視する責務がある。
大学としての特権を、政治的活動に利用しようとする学校法人があれば、国は行政指導によって、是正する義務がある。
政治活動に参加したくない学生を、不公正に排除している私立大学があれば、国は、補助金削減や業務停止命令などの行政処分を行う必要がある。
私立大学が儲けた利潤を使って、私立大学自身が政治的活動を行う場合は問題なし。

13.学生の自治権

「学生の自治権」とは、学生が持つ特別な権利のことだが、学生と大学の法律上の関係は、サービス業と客の関係と同じ。
ゲームセンターでは、ゲームを実行する権利が、「お客さん」が特別に持つ権利。
大学から購入した学問サービスを、自分は、実行するかしないか、自分は、どのように実行するか、それが「学生の自治権」であり、「学生の固有の権利」である。
「学生の自治権」に対するこの見解は、東大ポポロ事件の最高裁判例で示されたものであり、文部科学省の公式見解。
大学の運営に対する要求運動などは、「学生の自治権」には含まれない。
うるさい暴力的な左翼学生などを大人しくさせるために、微妙な表現を用いて彼らに勝手に誤解をさせて大人しくさせるという「教育的工夫」をしている大学が一部にあって、全学連などの左翼学生は、その「教育的工夫」の影響で勝手に誤解をしているだけ。
学問的研究であっても、大学に無断で勝手にやっている研究は、「学生の自治権」に基づく活動ではなくて、国民が誰でも享有する「一般的な学問の自由」。
大学に無断で勝手にやっている活動は、国民が誰でも享有する権利に基づく活動であるから、「実社会の政治的社会的活動」に分類される。
学生は、左翼団体等の煽動等に惑わされることなく、真面目に学問サービスを実行することで、大学の自治を守っている。

14.学長の権限

東大学長の発言は、東大学長(総長)の職権の範囲に収まるように、解釈しなければならない。
「学費値下げ運動をする団体の会費を全学生から強制徴収する権限」を、国家公務員であった当時の東大学長が授与するわけがないし、常識で考えて、そんな権限が東大学長にあるわけないと解かるはず。

15.「全員加盟制」学生自治会の本質

全員加盟制の学生自治会では、大学の提供するサービスが悪いときに対抗できない。
学生自治会という全員加盟制の団体があるかのように、仮想的団体をロールプレイングしているだけであるから。
全員加盟制の学生自治会それ自体が、大学の「学問サービス」であり、「法人ゴッコ」、ママゴトのようなもの。
ママゴトは、子供に実物を触らせると危ないときに、似て非なる代替物で子供を満足させることで、大人しくさせるという「教育的工夫」で、全員加盟制の学生自治会はそれに該当する。
全員加盟制の学生自治会を法律的に分析すれば、大学の現状について研究した結果を、大学当局に発表して、意見を求めているに過ぎない。
学生大会の決議や、学生自治会の選挙の結果も、単なるアンケートにすぎず、その結果に、法律上の効力は無い。
大学当局が、その結果を見て、審議したうえで発動した命令によって、学生は拘束されます。
決議や選挙というアンケート結果に合わせて、いつも、大学が命令を発動しているから、法律的効力があるように見えるだけ。
また、学生自治会の人間が、権限を持って学生を管理しているように見えるときがあっても、それは、法律的には、大学当局から業務委託されて、大学職員の管理権限で管理しているだけ。
払いたくない人から会費を徴収するのに、大学当局の管理権限を使ったから、学生自治会費を使うには、学生大会の決議結果を、大学職員に見せて、管理権限を行使してもらう必要がある。
学生自治会活動を、学生が大学から買っている学問サービスの一環と位置付けて、大学のサービスの代金として、学生自治会費を徴収しているから。
大学と各学生の契約に基づく、大学のサービスの代金という扱いで徴収する意外に、払いたくない人を含む全学生から、学生自治会費を徴収する合法的な方法は存在しない。
支払いが任意であるのに、義務と見せかけて徴収したりすると、詐欺罪で処罰される。
大学の決定を貰わずに、学生自治会費を使った場合は、横領罪や背任罪といった犯罪として、刑事罰が課され、さらに、非行事実を理由として退学や停学などの懲戒処分の対象となる。
学生自治会の会費を払った人は、大学との契約に基づく大学からの命令に従って、学生自治会費を支払ったのであって、学生自治会執行部の人と会費を払った人の間には契約がないから、大学の指示に従わずに会費を使ってはならない。

16.寄付金による学生自治会

払いたい人からの寄付金で100%をまかなう「学生自治会」は、大学のいう「全員加盟制の学生自治会」ではなく、「学生自治会」という名前の任意加入の市民団体。
佐賀大学の職員が、私的に飲み会を開く時の飲み屋の予約を、『佐賀大学』という名前で取った場合と同じで、国の機関の「佐賀大学」の活動ではなく、『佐賀大学』という名前の市民団体の活動となるというのと同じ。
払いたい人からの寄付金で100%をまかなう「学生自治会」は、たとえ、全員加盟とする「規約」を掲げて、その「規約」に従って選挙を行ったとしても、それは、「学生自治会」という名前の任意加入の市民団体が、「規約」と称する文書を掲げて、「選挙」と称するアンケートを行ったのであって、大学当局のいう「全員加盟制の学生自治会」の活動にはならない。
どんな選挙を行っても、どんな決議を行っても、「全員加盟制の学生自治会」にはならないので、全員から会費を強制徴収する権限は生じない。

17.詐欺で会費を集めると刑事罰

「全員加盟制の学生自治会の会費徴収」と称する詐欺で集められた資金を「補助金」として譲り受けると「犯罪収益の譲受けの罪(組織犯罪処罰法違反)」に問われる。
大学の指示を受けて、大学サービスの代金として全学生から強制徴収した学生自治会費を、大学の指示を受けずに使用した場合も、大学の指示を受けずに使用した部分は、横領罪で処罰の対象。
また、学生自治会の「役員」の学生に対して、詐欺や横領を起案や要求する行為も、犯罪のそそのかし行為として、幇助罪や教唆罪として刑事罰の対象となる。

18.課外活動に大学施設を使えるのは

払いたい人からの寄付金100%で活動する場合は、大学から指揮されずに、自由に活動することができるが、社会一般にある市民団体と同じ扱いとなる。
学生のみで構成されていても、大学の教育サービスとして存在する学生自治会の活動ではなく、「学生自治会」という名前の市民団体の活動に過ぎないので、大学の教育サービスとして提供される施設利用はできない。

19.領収書の保管義務

払いたい人からの寄付金100%で活動する「学生自治会」の場合でも、領収書の保管と経理書類の作成から逃れることはできない。
権利能力なき社団として、法人税法の適用を受るため、税務申告が法人税法で刑事罰をもって義務付けられている。
法人税額が0円の場合でも、そのことを示すために、領収証を保管し、経理書類を作成し、税務署へ申告する義務がある。
代表者の個人事業とした場合でも、所得税法の適用により、代表者は領収書を保管し、経理書類を作成し、税務申告が必要になる。
会費を集めたり、補助金を配ったりしたときは、金額に応じて税金がかかる。
領収書を添付した経理書類は、事業の経費に使ったことを税務署に証明するために保管する必要がある。
「学生自治会」が大学の指揮下で活動する場合は、大学から、領収書の保管と経理書類の作成を要求されるが、それらは、大学を運営する法人の経理書類として保管する義務がある。
どんな形で学生自治会を運営する場合でも、税務申告は国民の義務なので、領収書の保管義務からは逃れられない。
経理書類を作成しない学生団体は、それを相手方とする取引書類の偽造によって、暴力団等反社会的勢力の支配する企業による脱税の温床となっている。

20.大学公認の意味

大学が「公認」したというときは、何について、どういう意味において「公認」しているのかについて、大学当局の有する権限の範囲を考えて、判別する必要がある。
大学当局「公認」の活動とは、大学当局の責任と指揮監督に従って行う活動を指して言うのが普通。
大学当局から独立した自治活動を「公認」されているという学生自治会は、大学当局が、学生自治会の部室の管理のみを、学生を指定して任せているだけ。
大学から与えられた部屋を管理することのみが、大学当局のいう「公認」の活動であって、それ以外は全て「非公認」の活動。
うるさくて馬鹿な左翼学生を勝手に誤解させて大人しくさせるという「教育的工夫」として、あいまいな意味の「公認」が使われる。

21.学生自治縮小の意味

大学当局のいう「全員加盟制の学生自治会」は、法人ゴッコであり、団体として実在しない訳だから、「学生自治会の権限」というものは無い。
学生自治会執行部の学生が、権限を持っているように見えるのは、その学生が、大学当局から業務委託されて、職員的立場で大学当局の管理権限を行使しているから。
大学当局が権限を委託しているのは、○○君という人間に対してであって、学生自治会という団体に対する委託ではない。
ある時の学生自治会長の役割を演じていた学生が委託されていた権限は、その人に限り有効であって、その次の代の学生自治会長の学生が、同じ権限を委託されるとは限らない。
大学当局の意向に沿った形で課外活動を執り行う学生であれば、大学当局は、その学生に委託する権限の範囲を広げるので、ある程度の裁量を持った運営ができる。
学内での政治活動をほのめかす学生であれば、大学当局は警戒するから、消しゴム1個買うにも、大学当局の許可が必要になる。
大学当局の命令が厳しくなったとすれば、それは、学生自治会執行部の学生の人間性に信頼が無いのであって、特別に自治が破壊された訳ではない。

22.商品を買うとは

自由主義社会というのは、毎日が投機(ギャンブル)である。
お店に行って、これを買おうか、あれを買おうかと考えて、どちらか一方を決めるというのも投機(ギャンブル)であり、商品の効用と、商品代金を投機に賭けている。
もし、Aという商品を買って、やっぱりBという商品のほうが良かったなぁと、後から思っても、それは投機に失敗したのであって、自分の責任。
同様に、自分の大学のサービスが、他の大学のサービスと比べて悪くても、それは、大学の教員を見て判断した投機(ギャンブル)に失敗したのであり、自分の責任。
一般サービス業に対して、サービスの改善を求めることが出来るように、大学に対しても、サービスの改善を求めることは出来るが、サービスの内容が、契約内容に反しているわけでもなく、法律に違反しているわけでもなく、大学の方針と自分の要求が合わないだけという場合は、投機に失敗した自分の責任なので、諦めるしかない。
サービスの購入には、大なり小なり、失敗があるもので、自由主義社会においては当たり前。
商品の購入に失敗して、自己実現が達成できないときは、代わりの商品を探しに行くのが、自由主義社会における対処方法。
大学生活においても、入学前に期待していたものが、完全に実現することなど、絶対にありえないこと。
自分がやりたいと思っていた課外活動が、大学当局に認めてもらえなくて出来ないときは、地域のサークルに入るとか、バイト先の会社のサークルに混ぜてもらうとか、大学の外で市民サークルを作るとか、代わりの方法を探して、自己実現しなければならない。
サービスの提供元に干渉してでも、自己実現する権利があると考えるのは、共産主義的発想であって、自由主義社会の予定するところではない。
自由主義社会の方法が気に入らず、共産主義社会の建設を目指すことで、自己を満足させることを考えることは、自由主義社会においても、認められているが、日本が共産主義社会になるまでは、自由主義社会の方法に従って、自己実現しないと罰せられる。

23.大学のサービスが契約違反のとき

例えば、大学が、嘘、大げさ、紛らわしいなどの、不正な宣伝をして、不当に選択を誤らせた等という場合は、通常の商品の不当な宣伝の場合と同じ対応をとる必要がある。
不法行為による損害賠償請求、監督官庁への指導要請、刑事告訴など。
民事上の対応としては、サービスの提供内容が契約違反ということで、様々な司法支援制度を利用したり、訴訟や民事調停を裁判所に訴えるというのが正しい対応方法である。
法的トラブルに対応すると言って、会費を集めている所は、弁護士法違反で罰せられる。
特に、「交渉」と称する業務妨害行為によって、法的トラブルに介入する行為は、「民事介入暴力」と呼ばれ、暴力団がやる犯罪行為。
「○○派」などを名乗って介入してくる暴力団等の影響力下にある人達には、決して協力を求めてはいけない。
「○○派」の人達は、まともな会社には絶対に雇用されないような主張をするので、暴力団等の影響下にある裏社会の仕事でしか収入を得ることができない。
大学業界の自主的なサービス改善策を考えるうえで、「国家権力が、大学に直接干渉するのは良くない。」と考えるならば、各大学が協力して、不当競争を防止する業界団体を作るのが、自由主義社会の問題解決方法。
左翼系の人の多くは、学生を一つの階級と位置付け、大学当局との交渉を階級闘争とする考え方を、現在も引きずっており、学生代表が学長と交渉するというのは、計画主義(共産主義)のやり方である。
大学業界全部が悪い場合は、一般の業界に対する場合と同じように、有志が集まって、資金を持ち寄って、大学業界を規制する法律を作る運動をするなど、社会全体における大学の在り方に対する市民運動をするという形になる。
それによって、日本国民の自治組織である「日本国政府」の法律を改正したり、政策を見直してもらうことによって、大学業界を正しく運営させる。

24.学費値下げ運動は全員の利益になる?

左翼系の学生は、「学費値下げ運動は、学生全員にとって利益があるものだから、学生全員がその費用を負担すべきだ。」などと詭弁を垂れている。
確かに、学費なんて無い方がいいと、全学生が思っているだろうし、いっそのこと、学費も税金も無い方がいいと、全国民が思っているだろう。
「学費を無くそう!税金を安くしよう!」と主張すれば、当然の如く署名が集まるだろう。
けれども、すべての人の負担が軽くなるような政策は夢物語であり、実現不可能。
学費値下げを行おうとすれば、他のどこかの予算を削減するか、増税をしなければならなくなる。
一生学生でいる人間などいないのだから、学生の中にも、生涯をトータルで考えれば、学費値下げによって、支出増・収入減になる人も出る。
学費値下げ運動が、金持ち等の社会的強者の負担を増やす方向に向かう運動だと単純に考えるのは間違い。
社会の歪による負担のしわ寄せは、より弱い者のほうへ向かって流れていくものである。
学費値下げ運動のような、自己の利益を主張するだけの運動が、社会全体に蔓延すれば、当然に社会的に強い者から主張がとおり、声を上げることさえできない程の弱者の負担が増える。
生涯をトータルで考えて、「社会にとって、本当に必要な敗者救済・復活政策とは何か?」、その費用は「どの所得層が負担するのか?」ということを考えて、運動をしなければ意味がない。
経済的敗者の救済・復活政策の在り方や、その費用負担の在り方についての考えは、学生ごとに違うはずで、運動の進め方に対する考えも、学生ごとに違うはず。
にもかかわらず、学生全員に運動費用の負担を強制し、意見の異なる者の分派活動を認めない考え方は、プロレタリアート独裁の考え方であり、一党独裁の考え方である。
分派活動を互いに認め合わないから、紛争や暴力事件が起こったりする。
自由主義社会の政治活動や市民運動は、任意加入が原則であり、全員に費用負担を強制することは、法律的に認められていない。
任意加入としている理由は、それぞれの市民団体の存在を認めて、自由に分派や結社を行い、政策面で競争原理を働かせ、より良い社会を作るためである。
市民団体の構成員それぞれを結びつけている権利関係は、民法に基づく加入契約から生じている。
政治運動は、学生自治会のすることではなく、任意加入の市民団体が行うことである。

25.大学の監視は市民運動でやるべき

学生自治会が学問しか行わなかったら、大学が財界の言いなりになって、薬害エイズ事件のように、研究結果が歪められる、と言う左翼学生の考えは誤り。
大学の監視は学生自治会でなくても、一般市民団体でもできる。
現に、国や地方公共団体では、市民オンブズマン等の市民団体が、情報公開制度を用いて、活動を監視している。
国立大学も国家機関であり、学生が市民オンブズマンに参加して、活動を監視することができる。
私立大学においても、国から補助金や特権を与えられていることから、その方面から情報公開を要求し、活動を監視することができる。
学生自治会にしか情報が公開されないほうがむしろ問題で、銀行のように監査法人による監査を法律で義務付ける等して、研究活動の内容と資金源をガラス張りにすることが重要。
研究者への資金の流れが分かれば、利害関係が分かるわけで、研究結果の信用性を考える上での資料の一つになる。
また、どういう研究が盛んで、どういう研究が疎なのかが、公になるので、社会的に必要なのに行われていない研究があれば、研究するように要求する市民運動が出来る。
他大学で学生自治会としか交渉しないと言っている大学は、学生自治会が強いからではなく、学生が法律や会計について素人であることに便乗している「ズル賢い大学」であって、厳しく追求しているつもりでも、核心に達しないことも多く、真に民主的な大学ではない。
全員加盟制を標榜する左翼系学生自治会の活動は、無意味で有害なだけで、任意加入の市民運動が重要。
任意加入の市民団体が、運動を行うことの有効性は、西側諸国の歴史のなかで明白であり、共産主義的方法が、殺し合いと、暗殺、独裁の歴史を生み出したことも、明白なことである。

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